「ブラ法話~お坊さんと東寺を歩こう!」に参加しました!(かなり長文)
皆様、ごきげんよう。
人生、何が起きるか分からないものです。
ある日突然、素敵な情報が舞い込んで参りました。
「ブラ法話~お坊さんと東寺を歩こう!」
令和2年2月25日(火)9時から12時
場所 京都・東寺
講師 天野こうゆうさん(高野山本山布教師)
ゲスト 玉野真栄さん(東寺教学部長)
「え!?!
東寺で?マジで!?!」
すぐさまスケジュールを確認しましたら、運良く、予定が空いておりました。
東寺を堪能でき、東寺の中を案内してくれる。
しかも、講師が天野こうゆうさん!
「こりゃ、行くしかねえ!!」
ひゃっほう!と浮かれ気分で予約し、午前中は東寺鑑賞、午後は、どこか美術館にでも行って展覧会でも見てかえるかなぁ…と考えながら、2月25日、京都まで車を飛ばした次第でございます。
■完璧なのね、何もかも。
朝8時40分。
東寺に到着。ごそごそと支度を終え、9時前には無事に受付完了。
完全にひとりぼっちでの参加だったので、始終、心の友に向かって
「わぁ、すごいね。これから始まるよぉ~」
と己に話しかけながらの講座。
あまり信じてはくれませんが、基本的に私は、人見知りでございます…
さて。
天野こうゆうさん、玉野真栄さん、そして、東寺を案内してくださった東寺の職員の田中さんの紹介後、ブラ法話の始まりです!
まずは講堂から始まり、金堂、五重塔と、小子房、観智院とゆっくり、そして懇切丁寧に紹介してくださいました。
その日、講堂では関係者の方数名が、入口を入ってすぐの場所に鎮座している梵天様の周りで文化財調査の研究のため、調査活動をされていました。
「なかなか珍しい光景だな…」
とチラ見しつつ、奥へと進みます。
中央に鎮座している大日如来様の辺りまできたところで、田中さんから、立体曼荼羅の説明に加えて、一体づつそれぞれの仏像についても紹介していだたきました。
不思議なことにいつも表情が違っているように見えてしまう大日如来様。お話を聞きながら大日如来様を見上げると、その日の私にとっては、すっきりとした優しいまなざしを投げかけているように感じられました。
田中さんのお話の合間に、こうゆうさんや、真栄さんの法話もさりげなく紹介されました。その中で、「はッ!何と!」と気づいたお話が沢山ありました。
東寺の大日如来様は、金剛界の金剛印を結んでいらっしゃいます。私が2016年に制作した2.5D仏像顔出し看板の大日如来様も、金剛印を結んでいる姿を描いたのですが、以前から「ふむ、胎蔵界ではないんだなあ…片方だけでいいのかなぁ…」と何となくずっと気にかかっておりました。講堂でのお話を聞いていると、どうやら、高野山の大日如来様は胎蔵界の印相を結んでいるとのこと。
「なんと!ここで対をなすのか!!!」
と、目から鱗でございました。
お三方のお話の中で、高野山へお参りに行く“そのとき”が来たら、自然と高野山へ向かうことができる、といった事を話されていました。
どうやら、「今日いこう!」と思っていても、予定が入ったり、寝坊をしてしまったり、天候が悪くなったり、交通規制がかかったり、と何かと障害が起きるのだそうです。
私は、まだ高野山へ足を運んだことはありませんが、おそらく、“その時”が来たら、分かるものなのかなあ…そうでありたいなあ、と実感した次第です。
そういえば!!
2013年から始めた顔出し看板制作の中で、当初は愛染さんの存在が自分にとってはちょっと壮大すぎて、あまりピンとこなかったのですが、ここ数年でやっと「愛染さんもいいよねえ」とじわじわ心に響いてきておりました。
お話を聞いていると、どうやら、高野山には、お不動さんの代わりに愛染明王様も鎮座されているそうです。
「なんと!!高野山の方にいらしゃったのか!」
と、さらに親近感が湧いた次第でございます。
■小子房へ
東寺の中でも、なかなか足を踏み入れることができない場所のひとつ、小子房。
天皇をお迎えする場所で、普段は非公開となっているとても大切な場所です。
今回の「ブラ法話」では、特別に小子房の中も案内していただきました。
小子房の中は、「牡丹の間」「瓜の間」「枇杷の間」「鷲の間」「雛鳥の間」「勅使の間」の六室で構成されておりまして、画家の堂本印象が描いた襖絵や壁画がそれぞれの部屋に見事に描かれておりました。
現在の小子房は、昭和9年(1934)に弘法大師空海の千百年御遠忌にあたり再建されたそうで、こうゆうさん曰く、“昭和9年”という年度は、歴史の面から見ても、とても貴重で重要な年。覚えておくと良いですよ”とのこと。なるほどな、と心にメモした次第です。
そんなお話を聞きながら、「鷲の間」から眺める門と庭も大変すばらしかったです。
襖絵・壁画に絵かがれた堂本印象の絵を眺めておりますと、どの空間も木々や花々など、全ての生き物が絶妙な配置と空間作りで展開されており、「はぁ…」と、何度もため息をついてしまいました。印象が43歳の時の作品だそうで、
「いや、もう、天才すぎるな。」
と、空間と見事に調和した作品の素晴らしさに、ただただ圧倒されるばかりでした。
さらに、最後の「勅使の間」では、想像以上の豪華さと厳しさが感じられ、これが荘厳な空間なのか!と、じわりと目に涙を浮かべながら実感した次第です。
■倉敷から来ました…
小子房、観智院での見学もおわり、内容盛り沢山な「ぶら法話」も無事に終了。
あっという間の3時間だったなあ…と感慨深くなりながら、ふと、
「はっ!
こうゆうさんにご挨拶をしておかなければ…!
何の為に来たのだ!」
と我に返り、講座修了後の様子を窺っておりましたら、ふと人だかりが収まった瞬間がありました。えいや!と言わんばかりに、そろりと近寄り、
「あ、あの、倉敷から来ました、仏像の顔出し看板を作っておりますニシユキテンのニシユキです…」
「あー!!あのー!顔出しの!
よく来てくれたねえ!」
と、温かく迎え入れてくださいました。
天野こうゆうさんと記念撮影
■午後からは思いもしなかったアハハ道中へ…
講座修了後、こうゆうさん、真永さんへのご挨拶も無事に終わり、さてどうしたものかと様子を伺っておりましたら、たまたまご紹介タイムで一緒になった門戸厄神東光寺の娘さんのヒサコさんと立話。そのうち、若い僧侶の衣笠くんも立話に加わり、暫くお話をしていると、
「これからどうします?」
「せっかくなので、北野天満宮の梅花祭りに行こうかと…」
「行きます?一人じゃ何ですし…せっかくですもんね!」
「みんなで一緒に行きましょうよ!」
「行きましょ、行きましょ!」
と全会一致。
真永さん、こうゆうさんに聞いてきます!と、衣笠君。
予定を確認してもらい、最終的に、衣笠君の車で、北野天満宮へ向かうこととなりました。
ちょうど訪れた2月25日は、北野天満宮では梅花祭が行われておりまして、運が良ければ、こうゆうさんの紹介により、太夫の葵太夫さんに一目お会いできるかもしれない!もしかしたら、一緒に写真撮影もできるかもしれない!そんな一筋の希望を抱きながら、天満宮へと向かったのでありました。
北野天満宮に到着。
沢山の露店が並ぶ中、早速本殿へ御参りしました。
境内では、梅の花が可憐に咲きほこり、至る所で歓声があがっておりました。
とはいえ、新型コロナ・ウィルスの影響からか、例年よりも人の流れは随分少ないとのことでしたが、それでも、場内には沢山の方が訪れておりました。
しばらく場内を散策しておりましたら、途中、無事に葵太夫御一行と遭遇することができました。
芸奴さんの最高位といわれている太夫さん。しばらくお話をしている姿を眺めたり、なかなかそうあることではないので、ちょっと緊張しましたが、とても良い記念になりました。
その後、屋台で何か食べようか?ということになり、真永さんが、「これ食べよう、食べよう」と、たこ焼きを持ってきてくださり、皆で分けて頂きました。
「頂きまーす!」
と頬張ったたこ焼き。
実は、そのたこ焼きは思った異常に大変熱かったため、一口頬張ってみたはよいものの、いい歳をした大人数人が、ハフハフしながら、あまりのたこ焼きの熱さに暫くその場から動けなくなる、という一面も。
ちなみに、あつあつたこ焼きを存分に頬張っている間、こうゆうさんの姿がなく、消えておりました。皆で
「こうゆうさん、どこに行ったんだろうねえ…お買い物かなあ?」
と話をしながら屋台の角を曲がると、すぐ側にあった休憩テーブルで場所取りをしているこうゆうさんを発見!
「あれ?こんなに近くにいたのー?!?」
と驚いていると、
「ちゃんと座って食べるために、席をとっといたのよー!何やってんのー!」
と、再会を喜び、しばらくの間、飲み物やおつまみを頂きながら楽しく談笑しました。
その後、歌舞練場を見にいこうと、こうゆうテーブル(勝手に命名)をあとにし、屋台通りを抜けて上七軒を歩いておりましたら、軒先にて炭火でおまんじゅうを焼いている和菓子屋さんの光景が目にとまりました。
「これは、珍しいねえ。美味しそうだねえ。」
と、眺めていたら、真永さんもその和菓子屋さんに吸い寄せられるように足をとめておりました。
気がついたら、
「これね、食べな、食べな。」
と、いつの間にか皆に一つずつ手に持たせてくれました。
一口食べると、今まであじわたことのないような、ほのかな甘みと梅の香りが品良く漂う絶品おまんじゅうだったことが判明。
「うまーーー!」
と、あまりの美味しさに暫く悶絶していると、隣のヒサコさんは、炭火で焼いているおねえさんに向かって、
「5個入り、2個下さい!!」
と、速攻で老松の梅餡餠をお土産に包んでもらっていました。
ちなみに、その数分後も再び炭火焼のおねえさんにところへ向かい、
「あの、10個入も1個下さい!」
と、追加注文していました。
「潔い素敵な買いっぷりだな…」
と、尊敬の眼差しでしばらく見つめた後、私も、自宅用とお土産用に購入し、大満足で皆さんと「まんじゅうこわい、まんじゅうこわい」と言いながら、ウハウハとお饅頭を買い求めました。
老舗和菓子屋「老松」の黒梅餅をゲットしたどー!の図。
ちなみに、上の黒梅餅を手に浮かれる私の画像は、こうゆうさんが撮影してくださいました。
「なんでワシが記念撮影せんといかんのだ?」
とぼやきながら黒梅餅に浮かれる大人たちを激写しまくっていました。
その後は、如何に梅餡餅まんじゅうが美味しかったか、売り子のおねえさんが可愛かったかという話で持ち切りになりながら、皆で御機嫌になりながら老松の小袋を下げて歩いておりますと、こうゆうさんと真永さんが、ふと、とあるうなぎ屋さんで足を止めました。
「うなぎか…」
「うなぎだ…」
「食べるか?…」
「呑めるし…
よし、入ろう!」
と、二人は嬉しそうに、うなぎ屋さんへと入っていきました。
その間、ヒサコさんと衣笠くんと私は、大量のちりめんじゃこを売っているお店や、風呂敷屋さんでお買い物をして過ごしました。
◾️良いお買い物したのよ
ちりめんじゃこ屋さんでは、実は、何度か通り過ぎていたのですが、やはりどうしても欲しくなり、再び足を止めてみることに。
「ひとつください!」
と声を掛けると、ちりめんじゃこが入っている大きなパック(1,000円)を差し出してくるお店の方。
「そんなに大量のちりめんじゃこを、早くに食べれるかなあ…」
と躊躇ってしまった私は、
「小さい方で。」
と1パック700円が500円になったものを購入。良い買い物をした、と満足していると、買い物上手のヒサコさんは、
「大きいの、2つください!」
と速買い。お店の方から、
「おまけしとくね!」
と小さいパックもつけてもらうという快挙に!
「さすが、買い物上手のヒサコさんだ…」
と、またこっそり尊敬の眼差しで見つめてしまいました。尊い。
その後、衣笠くん、ひさこさんと私は、衣笠君がかねてより欲しかったという風呂敷を手に入れる為、事前に目星を付けていたとある屋台の風呂敷屋さんへと足を運ぶことにしました。
風呂敷がお務めの際にも必要な事があるそうで、どの柄がいいかじっくりと選んでいた衣笠くん。
お店の方が、衣笠くんが選ぶ柄を見ては、
「この柄とこの柄を選ぶとは、センスがあるねえ!」
と太鼓判を押していました。ご機嫌になった衣笠くん、3枚程満足そうに選んでおりました。
店先には、渋い柄もありましたが、中には大変可愛い柄もあり、手にとって眺めていると、ヒサコさんが、ふと、
「これ、良いわねえ……。」
え、まさか…!
「ひとつ、頂くわ!!」
と、またまた素敵なお買い物をされていました。
「今日は、良い買い物をした!」
と、大満足で風呂敷屋さんを後にし、三人で真永さん、こうゆうさんが待つうなぎ屋さんへ向かいました。
■うなぎ屋さんにて
うなぎをいただいていると、しばらくするとすぐに、エヴァ子さんこと、まりえさん達御一行が合流。個室にて、総勢8名の賑やかな宴が始まりました。
高らかに語るこうゆうさんのお話に、まりえさんがフムフムと頷いたり、突っ込んだりする様子は、まるで『拝、ボーズ!!!』公開収録を聴いているかのようでした。
「丁寧でキレのあるつっこみ…さすがだ…」
と、尊敬のまなざしでまりえさんを見つめてしまいました。
途中、真永さんも高らかに語りはじめ、補足説明を交えながら、プチ法話が展開していきました。しばらく、その様子を眺めていると、誰かに似ているなあ…とぼんやりしながら考えておりましたら、ふっと、
「あ!お年を召した千葉雄大だ!!」
と、気がついてしまった私は、それから後は、真永さんの姿が千葉雄大様にしか見えませんでした。
■再び東寺にて
ちょうどその日は5体程顔出し看板を持参していたので、最後に、私の車を駐車している東寺まで戻り、皆で顔出し看板姿で記念に写真を撮ろうということになりました。
うなぎ屋さんでのプチ宴会が終わると、まりえさんタクシー組と、衣笠くん車組の二手に分かれて東寺へ向かいました。
東寺の閉門は夕方5時。
到着したのは、閉門の10~15分前という結構シビアな時間でした。
にもかかわらず、急いで車から顔出し看板を降ろし、皆さんに堪能していただいていると、
まりえさんチームも運良く合流。
「キャホー!!!」
といった感じで、走りかけてくるまりえさん達。
本当に楽しそうにしていらっしゃいました。
装着するのにも慣れてくると、真永さんは、東寺の売店の方に声をかけ、気がついたら売店のおねえさんと一緒に記念撮影をしていました。
本気ではしゃぐ大人たち。
いい大人たちが、魅惑の顔出し看板体験約10分間を過ごしていると、途中で、見知らぬおじさん達も「これは何してるの?」と近寄ってきたりと、ちょっとしたカオス状態になっていました。
ひとりだったら、絶対に、「ちょっとこっちへ来なさい」レベルのレッドカード行為になるところですが、東寺でまさかの高野山出身の関係者の方々と一緒に、2D仏像顔出し看板撮影タイムを過ごすことが出来るという幸せ。
「これは、夢だろうか?現実だろうか?」
と、流されるままに過ごしていると、あっと言う間に閉門時間が迫ってきました。
関係者であろうと、5時にはきっかりと閉門してしまうという東寺。
ひとしきりはしゃいだ後は、皆さんに御礼のご挨拶をし、そそくさと東寺を後にしたのでありました。
いやあ、濃厚な1日でありました。
天野こうゆうさん、玉野真永さん、講座に参加された皆様、貴重な時間をありがとうございました!
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